IEレビュー264号 特集記事の概要

●特集テーマ 手戻りのない一気通貫のモノづくり

【論壇】 一気通貫の設計・開発とそのベンチマーキング情報

今回の論壇は、一気通貫の設計・開発とそのベンチマーキング情報について、東京工業大学教授の圓川隆夫先生に執筆いただいた。「製品のQCDES作り込みを確保した上で、市場にタイムリーに投入できる新製品開発力こそが、企業の持続的成長のための必須条件であり、そのための要件が、手戻りのない一気通貫の設計・開発である。手戻りを避けるため、コンカレント・エンジニアリング、DfX、バラエティリダクション、フロントローディング型設計、そしてプロジェクトマネジメントが重要である」、「ツール・IT活用力を単に高めても意味はなく、開発戦略組織力を高めて、はじめて成長率が高まるという交互作用こそが高度化に有意である」と論述されている。また、開発の途中で、その方向性を妨げる部分最適な評価システムやマネジメント慣行があれば、それこそが阻害要因であり、正に敵は内部にありという指摘は重要なポイントと考える。本特集号の全体像が把握できる論文である。

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【ケース・スタディ】 開発プロセスの情報共有と知識再利用によるQCD改善の実現

ダイキン工業の門脇氏には、開発プロセスの情報共有と知識再利用によるQCD改善の実現について説明いただいた。現場で作業できるという要件で、自社開発ソフト活用を導入し、知識・情報の再利用の取り組みを強化している。微妙で曖昧な知識も物理法則や因果関係を明示し、工夫次第で蓄積可能であること、また、不具合知識の構造化手法を広め全体活動へ展開するため、活動板を使った進捗の見える化や実行の担い手として、職場単位の小集団活動を活用しているところが参考となる。

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【ケース・スタディ】 設計・製造連携した品質・コストの作り込み

富士通の村岡氏には、設計・製造連携した品質・コストの作り込みについて紹介いただいた。「仕組みやツールの充実も大切だが、DR/DFXを進める人づくりが重要である」、「設計と製造のより強固な連携を図るため、設計者に製造を経験させる」、「『大部屋開発』と称し、設計部門だけでなく、品質保証部門、製造部門、保守部門などの後工程のメンバーとともに、レビューできる体制をとっている」など、重要ポイントはツールの充実とともに、チームデザインと人づくりである。

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【ケース・スタディ】 生産技術がリードする設計革新と生産革新の取り組み

富士ゼロックスの渡部氏からは、生産技術がリードする設計革新と生産革新の取り組みを執筆いただいた。変革のベースは、「生産技術工場で磨いた生産技術で得られた知見・技術のデータベース化、標準化」、「獲得したモノづくり技術を活用した製品開発へのフロントローディング化」である。プラスチック部品のQCDをコントロールするため社内に新規金型工場を設置し、金型技術や成形技術の内部取り込みを実施している。設備も生産技術工場で調整後、ユニーク部のみ量産工場へ転写という方式をとっており、マザー工場構築の思想が一貫化されている。

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【ケース・スタディ】 電話応対記録の分析とその有効活用の仕組みづくり

TOTOの上田氏からは、電話応対記録の分析とその有効活用の仕組みづくりを執筆いただいた。お客様の声をいかに商品の品揃えや新商品開発に反映させていくかについては、冒頭のドラッカーの引用「顧客が見、考え、信じ、欲するものこそ、…正面から真剣に受けとめるべき客観的な事実である」が印象的である。消費者自身から、率直な答えを得るというコンセプトが大切であること、また、難しいツールを使わなくても、手作業での応対記録活用で、ニーズをマイニングできるという点に注目したい。

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【プリズム】 部品情報流通基盤(R&R)

ロゼッタネットジャパンの古知屋氏からは、部品情報流通基盤について紹介いただいた。電子部品のグローバルSCM構築は、セットメーカー・部品メーカーの両者の課題を満たすべきものをめざしている。投資の少ない実施環境がメリットのひとつである。ただし、流通する情報(コンテンツ)の質、量、精度および鮮度の維持がポイントである。

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【プリズム】 設計手戻りを防止し粗利を確保するための設計情報管理

構造計画研究所の野本氏からは、設計手戻りを防止し粗利を確保するための設計情報管理について執筆いただいた。手戻りを未然に防止するためには、お客様の要求を機能として表す言葉へ置き換えて、確認を円滑に正確に実施することが重要である。

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【プリズム】 統合BOMを核としたバリューチェーンの構築

NECの松原氏からは、統合BOMを核としたバリューチェーンの構築について説明いただいた。ITを活用して手戻りのない一気通貫のモノづくりを実現し、エンジニアリングチェーンを推進するためには、各BOMの個別最適化とマスタ情報の不一致を排除することや、BOM間の関連性を明確にし、仮想的に統合し管理することが重要である。

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