IEレビュー260号 特集記事の概要

●特集テーマ 改善に向けた工場長・生産トップの役割

【論壇】 工場における日常管理

今回の論壇は、リコーの小澤氏に執筆していただきました。生産現場は、ハードウェア・ソフトウェア・ヒューマンウェアの3つの要素で構成され、これら3つの要素をつなぐ管理の仕組みが日常管理であり、3つの要素のどのひとつが欠けても、あるいはバランスが悪くても、機能を十分に発揮することができない。そのため、3つの要素をつなぐ日常管理の仕組みをどう定着させていくかが工場運営にとって極めて重要であり、少しずつ日々の小さな改善を積み上げていき、管理のレベルアップを図っていくことが肝要との主張がまとめられています。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 世界一の夢を現実のものに

ボッシュの松尾氏には、モノづくり現場のトップとしてやらなければならないことは、儲かる工場ではなく、従業員1人1人の達成感、あるいは幸福感を満足させることができる職場作りであり、これを実現するための行動指針として、大きな声で挨拶、きちんとした服装、5S/6Sの徹底を日々心がけていることをご執筆いただきました。6Sとは、5Sに「S=しつこく」を足したものだそうで、何よりもこれら3つの行動指針を愚直にとことん実行することで、日々のQCD向上のための小難しいテクニックを駆使しなくても、相当レベルの工場を実現することができるとのことです。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 明石工場の内部実務教育と業績回復

コカ・コーラウエストプロダクツの嶋田氏には、内部教育を通じた人材育成について思いの丈を語っていただきました。内部教育の一環として、小集団活動を展開した際には、「見るの原則」を徹底し、この原則の徹底を通じて、まず機械を見る、そして見ることで変化が見え、その変化がなぜ起こるか考えるようになったそうです。嶋田工場長いわく、工場のマネジメントとして何か変わったことは何もしていない、ただ内部教育を地道に繰り返し継続してやっているだけだそうです。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 改善活動のABC

クラリオン製造プロテックの黒田氏には、改善活動を維持・継続していくためのマネジメントについてご執筆いただきました。改善活動を活性化させるためには、自発的な取り組みや全体最適化、IE教育の重要性などとともに、生産トップがモノづくりに対していかにこだわり続けることができるか、いかに人に優しくなれるかが重要である点が述べられています。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 生産現場におけるトップの役割

コマツの柳沢氏には、工場トップはどのように問題点を「見える化」して改善活動を進めていくかについてご執筆いただきました。「見える化」する際には、見に行く(Look)ではなく、見えてくる(See)ことが重要であり、「いつも見える」「早く見える」ことが問題点の顕在化にとって必要になるとのことです。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 IMMで進める生産マネジメントシステム

TDFの佐々木氏には、IMMといういすゞオリジナルの生産マネジメントシステムをツールとして、いかに工場革新に取り組んでこられたかをご執筆いただきました。工場革新に必要なプロセスは、暗黙知の形式知化と新たな暗黙知の醸成の2つであり、工場トップは、この2つのプロセスのプロデューサーになることが必要だそうです。

← 目次へ戻る

【プリズム】 農業ビジネスに求められる役割と想い
【プリズム】 学会における産学連携とは?

今回のプリズムでは、工場以外の様々な組織における役割や思いについて、ご紹介いただきました。まず、①慶応義塾大学の河野元徳氏には、トマトの生産・流通プロセスにおいて、生産者と消費者の懸け橋となるコーディネータの立場から、農業ビジネスに向けた役割や思いについてご紹介いただきました。また、②早稲田大学の根来龍之氏には、経営情報学会の会長という立場から、いかに実務と研究の微妙なスタンスを舵取りしながら学会運営を行っていくか、そのためには半歩か一歩故意に遅れて実業界の動きを追っていく姿勢が重要であるという点についてご紹介いただきました。

← 目次へ戻る