IEレビュー307号 特集記事の概要

●特集テーマ IE とロボットの融合を考える

【論説】 ロボット産業におけるシステムインテグレーション

日本ロボット工業会のシステムエンジニアリング部会長である三菱電機の小平紀生氏より、“ロボット産業におけるシステムインテグレーション”について解説いただき、次のような知見を得ることできた。
・ロボットを含めた自動化システムの設計と立ち上げには、システムを取りまとめるシステムインテグレータの存在が重要。日本はロボット用途開拓面でも先進国であり、様々な用途への適用は常に日本がリードしてきた。これを支えているのは、産業用ロボットの応用技術に熟達した日本のシステムインテグレータである。
・産業用ロボットは半完結製品であり、その味付けはシステムインテグレータの腕前次第。
・生産設備としての価値は、システムインテグレーションされた結果で確定するもので、使用するロボットの機能性能ではない。同じロボットを使っていても、システムインテグレーション技術の良し悪しによって、生産設備のパフォーマンスは大きく左右される。
・システムインテグレーションにおける重要な職務の1つとしてシステムの安全性確保が挙げられる。最近はすべての機械製品事業においてリスクアセスメントの実施と製品出荷時の残留リスクの提示が、努力義務化されている。今後はロボットシステムインテグレーションにおいて、エンドユーザとシステムインテグレータ間で安全仕様に関する合意形成が重要な項目となる。

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【ケース・スタディ】 モノづくりにおけるIT(IoT)活用

日立アプライアンスの石田宣浩氏・石田俊樹氏からは,“モノづくりにおけるIT(IoT)活用~セルを中心とした「見える化・つながる化・脱属人化」のIoT改革~”について執筆いただいた。同社では、セル生産方式とフローショップ化による製造リードタイムの短縮、製造コスト低減をめざす活動を続けてきたが、IoTの活用により改善を加速させている。多種多様の製品の生産量増減に柔軟に対応するためのセル生産は、作業時間の低減が頭打ちの状態であるが、さらなる改善をめざし、徹底的にムダな動きを取り払い、その後、人作業との組み合わせが可能となる協働型ロボットを活用したロボットセル化を図り、これらのセルを近接化・直結化しフローショップ化を進めている。また、同社多賀事業所では、「見える化・つながる化・脱属人化」をキーワードとした改善活動を進めており、これらの考え方をIoTなどのデジタル技術で実現する新しいものづくり強化をめざしているが、そのためには大前提として従来からのIE的見地をベースとした改善活動の考え方が継続的に取り組まれることが重要であり、徹底したムダ取りという基本的な考え方が確保されてからはじめてIoTの活用効果が生み出されるというIE的アプローチの重要性について言及いただいた。

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