IEレビュー309号 特集記事の概要

●特集テーマ 品質の改善・向上に向けて

【論壇】 品質を顧客の立場から考える

日本生産性本部・経営品質協議会の坂本圭一氏に、「品質を顧客の立場から考える」と題して、価値づくり推進をねらう経営の品質向上について執筆いただいた。
坂本氏は、日本経営品質賞委員会の事務局次長をされており、モノやサービスの品質ではなく、「経営の質」の向上について論じていただいた。「価値とは何か」「卓越した組織に共通するものは何か」など、経営品質に直結する事項が興味深い事例とともに紹介されており大変参考になる。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 クボタ生産方式(KPS)によるリードタイム短縮

クボタの伊藤和馬氏に「クボタ生産方式(KPS)によるリードタイム短縮」と題して、建設機械製造部の品質改善によるリードタイム短縮について執筆いただいた。
リードタイムを短縮するために「停まっているムダ」をダイヤグラムで見えるようにしたところ、工場内で一番長い時間「停まっている」工程が出荷場であることが判明した。その主因は、工程内で発見された品質不良の手直しなどで完成予定時間通りに製品が完成しないことがあるため、余裕を持った安全在庫を保有していたためであった。そこで、品質改善活動を行なった結果、出荷場で安全在庫を保有する必要がなくなり、リードタイムを大幅に短縮できた事例が報告されている。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 デジタルを活用した品質改善・向上に向けた取り組み

ブリヂストンの田中博康氏に「デジタルを活用した品質改善・向上に向けた取り組み」と題し、生産現場におけるモノ・人の品質向上について執筆いただいた。
従来はデータ量が少なく真の原因を把握するのに時間を要していたところにIoTを活用し、膨大なデジタル情報と解析技術を軸に真の原因を素早く見抜き、本質的な改善活動サイクルが回るようになった事例である。合わせて、データ解析に必要不可欠なデータサイエンティストの要件や育成についても言及していただいた。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 東レの生産技術力強化への取り組み

東レの黒川浩亨氏に「東レの生産技術力強化への取り組み」と題し、東レの生産技術力強化を支える改善提案制度と小集団活動について執筆いただいた。
小集団活動の母体となるQCサークルと改善提案制度は1950年代初頭には開始されており、年1回の生産革新検討会は来年に70回目を迎える。
例えば、改善提案は年間平均すると1人7件程度で会社としては年間4万件もの提案がなされている。小集団活動については、今なお全員参加型で積極的に進められており、長期間にわたり地道な活動がしっかりと継続され大きな成果を上げていることが報告されている。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 小集団活動による製造体質の強化

村田機械の梅田貴司氏に「小集団活動による製造体質の強化」と題し、時代の変化に合わせた人材育成と品質改善の取り組みについて執筆いただいた。
QCサークル活動は1969年に始まり、1983年からはその発表会がスタートしているが、全社的な活動となってから20年近くが経過する頃から「発表会のための発表」になってしまっていた。そこで、原点に立ち返り、人材育成を主眼として各自のスキルを定量的に測り現場力を上げる活動へ転換し、小集団活動として再スタートした事例が紹介されている。

← 目次へ戻る

【ケース・スタディ】 カネカ生産・技術(モノづくり)ポリシーを基盤とした進化したモノづくり

カネカの川勝厚志氏に「カネカ生産・技術(モノづくり)ポリシーを基盤とした進化したモノづくり」と題し、小集団活動による品質安定化の取り組みについて執筆いただいた。
小集団活動による色調不良削減の取り組み事例が紹介されている。最終製品の検査で色調異常が発生する原因を4Mの視点でなぜなぜ分析を行なった結果、色調を目視検査しているため合否判断に個人差があることが判明。この個人差を解決するため、自動比色計を導入したところ、色調不良がゼロという成果が報告されている。

← 目次へ戻る

【テクニカル・ノート】 人間の視覚特性に基づいた外観検査作業の改善活動の考え方

電気通信大学の中嶋良介先生に、「人間の視覚特性に基づいた外観検査作業の改善活動の考え方」と題して執筆いただいた。
外観検査作業は、外観上の品質を保証する上で極めて重要であるにも関わらず、加工・組立作業のように直接的な付加価値を与えられるものではないため、多くの生産現場で様々な苦労をしている。この点に対して、人間の視覚特性に基づいた外観検査作業の観点から現在の生産現場の問題点が指摘され、それを是正するための考え方が示されている。

← 目次へ戻る

【プリズム】 日科技連が推進する品質経営力向上への取り組み

日本科学技術連盟の安隨正巳氏に「日科技連が推進する品質経営力向上への取り組み」と題して執筆いただいた。
品質管理に関する日科技連のこれまでの取り組み、品質危機とも呼べるような現状を踏まえ、今後取り組むべき新たな品質経営の枠組みについて紹介をいただいた。

← 目次へ戻る

【プリズム】 ハードとの違いを踏まえたソフト品質保証

日本科学技術連盟・ソフトウェア品質管理研究会の運営小委員会委員長を務めているヤマハの小池利和氏に「ハードとの違いを踏まえたソフト品質保証」と題して執筆いただいた。
ソフトとハードの違いを踏まえ、ソフト品質を保証する上で考慮すべきポイントを解説していただいた。

← 目次へ戻る